梅毒感染の治療薬にペニシリン使用の方向性
梅毒治療薬として有名な「ペニシリン」は海外では標準的に
使用されていますが、日本では実施されていない現実があります。
近年増加傾向の梅毒患者報告数は平成28年に4518人まで増加し
突出した感染拡大がおこりました。
この事態に対して厚労省は、梅毒の治療薬として行なわれていない
「ペニシリン」を解禁する方向で動き出しました。
〇 梅毒治療薬「ペニシリン」の特長
・投薬は1回の筋肉内注射で済む
・経口薬で複数回服用するタイプでは途中で中断してしまう
可能性が有り、それを減らせる
〇 梅毒治療薬「ペニシリン」の副作用
・重篤なアレルギー症状「ペニシリン・ショック」の懸念
戦前までの梅毒感染は完治させる治療薬が無く、梅毒は死の病
と恐れられていました。(現在のがんに対する感覚と同様で
しょうか?)
しかし世界初の抗生物質となるペニシリンの開発で、戦後の
日本でも普及しだしてから患者数は激減しました。
その後の患者数はほとんど横ばいで推移していたとみられますが、
昨年は統計を取り始めた1999年以降で最多となる4,000人を超えています。
戦後の日本でのペニシリンの普及は、特効薬としての治療効果で
梅毒感染者を激減させました。
その後も日本で多種多様な抗生物質の開発や生産が急速に増大し、
感染症の治療法が全国に普及していきました。
その結果、年齢を問わず感染症による死亡率が著しく減少し、
日本人の平均寿命を大幅に伸ばした原因の一つとされています。